専門医ドクターインタビュー

松本先生の
今までと、これからに向けての思いを取材しました。

INTERVIEW04
集中治療管理もできる救命医を目指す
大分大学医学部附属病院高度救命救急センター
救急科専攻医 松本祐欣

現在の仕事についてお話を伺いました

Q.松本先生の現在のお仕事について教えてください

仕事は主に2つあって、1つは救命救急センター病棟ICU業務、もう1つが救急外来診療業務です。
救急医としての経験がまだ3年目ということもあって、現在はICU業務をメインとして働いています。

Q.一日の流れやワークバランスについて教えてください

まず朝は7時半のカンファレンスからスタートします。
その後は病棟で多職種カンファレンスがあり、担当ドクターが患者さんのプレゼンテーションをしたり、ナースや医療ソーシャルワーカーと連携を取っていきます。
日中の業務が終わったあとは、夕方17時からのカンファレンスが終わるのが18時ごろ。大体、18〜19時に帰宅します。

仕事とプライベートは、はっきりオンオフが分かれていますね。
高度救命救急センターはシフト制で常に担当の医師がいるので、オンコール業務がないんです。だから、休日や帰宅後はしっかり休めます。
帰宅後はペットのチンチラと遊んだり、動画やゲームを楽しんだり。オフの時間も充実しています。

Q.医師、そして救命救急医療に携わることになったきっかけはなんですか?

小学生くらいのころから「医者になろう」と決めていたんですが、何がきっかけだったのかは覚えていないんです。
ブラックジャックを読んで「医者ってかっこいいな!」と思った記憶はあるんですが、それがきっかけだったかどうかははっきりしません。

救急医になることを決めたのは大学1年のころです。
医師として、急患を受けたときにその場で対応できる知識と技術を学んでいけるのは救急医だと思いました。

もちろん救急科以外に「この科もいいな」と思った科もいくつかありましたが、救急医になった上で興味がある分野を学んでいければと考えています。

Q.救命救急医として辛かったことはありますか?

「病院」というシステムに苦労した思い出があります。検査、処方、注射オーダーを出したりする、ひとつひとつの処理が思った以上に煩雑で、医師になりたてのころは大変でした。
3年目になってだいぶ慣れてきましたが、医師という仕事は想像以上にデスクワークが多いんだなと思っています。

嬉しかったこと、心に残っているエピソードはありますか?

患者さんが回復していく姿を見ることはもちろん嬉しいことです。でも今までの3年間で深く心に残っているのは、どちらかというと助かった患者さんよりも亡くなった患者さんたちのことです。

すぐに亡くなってしまう患者さんもいますが、徐々に状態が悪くなって死に至る患者さんもいます。そういう患者さんに対して、「最初の判断が悪かったんじゃないのか」と反省することは何度かありました。 今後のためにもしっかり勉強を続けて、次の症例に活かさなければと考えています。

やりがいは 「 この人を助けることができた

病棟に入ってくる患者さんは、かなり状態が悪くて、
今にも亡くなってしまいそうな患者さんが多いんです。

危ない状態だった患者さんが治療を受けて回復していって、
退院やリハビリにまで辿り着いた瞬間は、
やりがいを感じますね。

高度救命救急医を目指す方、学生に向けてのメッセージをお願いします

今後、医療を行っていく上で、救急専門医や麻酔科標榜医、集中治療専門医による重症救急患者の初期診療、救命救急センター病棟での集中治療管理ができる医師が必要とされています。
救急科専門医をまず3年でとるか、麻酔標榜医を取るかという世間的な流れもあります。
私は3年目でまだ勤務歴は浅いですが、充実した診療の日々が送れていますし、技能の向上の満足感もあります。

私は医師になる人って「熱血」か「繊細」のどちらかに二極化されていると思っているんですが、どちらも活躍できる科だと思います。
救命救急科はかなりオススメですよ。

今後の目標を教えてください

まず救急科専門医を取るための3年間、ER外来における初期診療とそれに続く重症の患者さんを病棟で全身管理をしていけるような能力をしっかり身に着けていきたいですね。

その後に病棟での集中治療管理に興味があるので、救急科専門医を取ったあとは集中治療専門医を取っていきたいと考えています。集中治療専門医のサブスペシャリティーを目指して、これからも勉学に励もうと思っています。

INTERVIEW MOVIE

松本先生のインタビューを動画でご紹介しています。


INTERVIEW

インタビュー
いのちの最前線で働く先輩たちのホンネ!