臨床研究(オプトアウト)

当院に救急搬送された患者さん・ご家族の皆様へ
~診療時に採取した血液検体(残血)の医学研究への使用のお願い~

【研究課題名】
 重症救急患者における生態侵襲が代謝カスケードに与える影響

【研究の対象】
 この研究は以下の方を研究対象としています。
 2016 年 1 月~2021 年 12 月に当院に救急搬送され、高度救命救急センターで治療を受けられた方

【研究の目的・方法について】
 救急車で搬送されるような患者さんは、程度はそれぞれ異なるものの何らかの原因で体にダメージをうけています。このダメージのことを生体侵襲(せいたいしんしゅう)と呼んでいます。この生体侵襲が起こると、からだの中で様々な反応が起こることが知られています。ただし、この複雑なメカニズムは十分解明されておらず、これを解明することで病気の治療成績向上につながると考えています。本研究は、救急患者さんの血液を用いて生体侵襲やからだの中の種々の反応について調べることで、病気を特定するのに役立つ物質、あるいは重症度を推測する物質、さらには治療の標的となる物質などを探し出すことを目的としています。
 本研究では、患者さんの血液を用いて体のダメージを反映する物質である IL6 や HMGB1 といった物質や酸化ストレスに関連する物質、更には多数の代謝産物などを測定します。これらの値と診療録から得られた血圧、呼吸数、などの生体情報や重症度スコアなどの臨床データをもとに解析を行い、疾患特異的マーカー、重症度・予後予測マーカー、治療標的物質などの同定を行います。
 今回の研究成果によっては、今後の救急患者さんの治療に大きく貢献できるのではないかと考えています。
      研究期間:2022年3月25日~2025 年 3 月 31 日

【使用させていただく試料・情報について】
 本院におきまして、救急搬送され高度救命救急センターで治療を受けられた患者さんの血液検体(試料)を医学研究へ応用させていただきたいと思います。

 その際、血液検体から測定した様々な値と診療情報との関連性を調べるために、患者さんの診療記録(情報:年齢、性別、病歴、基礎疾患、血圧や脈拍数などの患者状態、肝機能や腎機能など診療中に得られた血液データなど)も調べさせていただきます。
 なお、本研究に患者さんの血液検体(試料)及び診療記録(情報)を使用させていただきますことについては、本学医学部倫理委員会において外部委員も交えて厳正に審査・承認され、大分大学医学部長の許可を得て実施しています。
 また、患者さんの試料および診療情報は、国の定めた「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」に従い、匿名化したうえで管理しますので、患者さんのプライバシーは厳密に守られます。当然のことながら、個人情報保護法などの法律を遵守いたします。

【使用させていただく試料・情報の保存等について】
 血液検体(試料)の保存は論文発表後5年間、診療情報については論文発表後10年間の保存を基本としており、保存期間終了後は、癌組織(試料)は焼却処分し、診療情報については、シュレッダーにて廃棄したり、パソコンなどに保存している電子データは復元できないように完全に削除します。ただし、研究の進展によってさらなる研究の必要性が生じた場合はそれぞれの保存期間を超えて保存させていただきます。
 本研究で収集した試料・情報を他の機関へ提供することはありません。

 試料・情報の管理について責任を有する者の氏名又は名称
     大分大学医学部救急医学講座 竹中隆一

【患者さんの費用負担等について】
 本研究を実施するに当たって、患者さんの費用負担はありません。また、本研究の成果が将来医薬品などの開発につながり、利益が生まれる可能性がありますが、万一、利益が生まれた場合でも、患者さんにはそれを請求することはできません。

【研究資金】
 本研究においては,公的な資金である大分大学医学部救急医学講座ならびに高度救命救急センターの基盤研究費ならびに寄付金を用いて研究が行われます。

【利益相反について】
この研究は,上記の公的な資金を用いて行われ,特定の企業からの資金は一切用いません。「利益相反」とは,研究成果に影響するような利害関係を指し,金銭および個人の関係を含みますが,本研究ではこの「利益相反(資金提供者の意向が研究に影響すること)」は発生しません。

【研究の参加等について】
 本研究へ試料(血液検体)および診療情報を提供するかしないかは患者さんご自身の自由です。従いまして、本研究に試料・診療情報を使用してほしくない場合は、遠慮なくお知らせ下さい。その場合は、患者さんの試料・診療情報は研究対象から除外いたします。また、ご協力いただけない場合でも、患者さんの不利益になることは一切ありません。なお、これらの研究成果は学術論文として発表することになりますが、発表後に参加拒否を表明された場合、すでに発表した論文を取り下げることはいたしません。患者さんの試料・診療情報を使用してほしくない場合、その他、本研究に関して質問などがありましたら、主治医または以下の照会先・連絡先までお申し出下さい。

【研究組織】      所属・職名               氏名
 研究責任者
     救急医学講座・高度救命救急センター 助教      竹中 隆一
 研究分担者
     高度救命救急センター       特任教授     坂本 照夫
     救急医学講座・高度救命救急センター 准教授     石井 圭亮
     高度救命救急センター        講師      柴田 智隆
     高度救命救急センター        非常勤医師   黒澤 慶子
     高度救命救急センター        特任助教    塚本 菜穂
     高度救命救急センター        医員      松本 祐欣
     高度救命救急センター        非常勤医師   梅津 成貴
     高度救命救急センター        医員      姫野 智也
     呼吸器感染症内科          講師      濡木 真一
     産婦人科学講座           客員研究員   酒井 久美子
     医学部医学科            学生      田中 眞仁

【お問い合わせについて】
本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申し出下さい。

照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:
  住 所:〒879-5593 大分県由布市挾間町医大ヶ丘 1-1
  電 話:097-586-6602
  担当者:大分大学医学部附属病院 高度救命救急センター
      助教 竹中 隆一(たけなか りゅういち)