臨床研究(オプトアウト)

本院で痛みによって救急受診された患者さん・ご家族の皆様へ

~救急受診時の痛みの強さや程度の情報と使用した鎮痛薬についての情報の医学研究への使用のお願い~

【研究課題名】

救急初療室における疾患・重症度別の疼痛(とうつう)値の傾向と鎮痛薬使用の実態に関する横断研究

【研究の対象】

 この研究は以下の方を研究対象としています。

①  2020年4月1日~2022年3月31日までに大分大学医学部附属病院高度救命救急センターに救急搬送され、何らかの痛みがあった患者さん

【研究の目的・方法について】

救命救急センターに搬送される患者さんの多くは病気の種類やその程度に関係なく痛みを訴えて受診する方が多くいます。救急を受診する患者さんの60%〜70%は痛みによるものであると報告されています。患者さんは病気の発症直後から痛みを感じ、その症状が早く軽くなる、または痛みがなくなるようにしてほしいと願っています。しかし、診断がついていない段階では貴重な生体情報(体温や脈拍など、現在の状態を知らせる身体からの情報)である痛みに対して不用意に痛み止めの薬を使用することは必ずしも適切とは言えませんが、一方で、より積極的に患者さんの苦痛を和らげることに取り組むことは、医療サービスにおいて重要な課題です。

このようなことから、現在では、痛みを可能な限り早く取り除くために、痛みのコントロールの標準化(誰でも同じようにできるようにすること)を目指して様々な方法で研究が積み重ねられてきていますが、痛みに対していつの時点で鎮痛剤等の投与や何かしら痛みを軽減する方法(身体の向きや姿勢を変えたり等)を実施するべきかについて標準化することの難しさが課題となっています。

 そこで、本研究は、本院高度救命救急センターに救急搬送され、原因がわからない急激な痛みのある患者さんを対象に痛みの様相・医療者が行った痛みの評価、痛み止めの薬がどのように使われたかを解析し、痛みの管理の標準化に向けた資料を得ることを目的として実施します。このような痛みの管理の標準化に向けた知見を得ることで、救急初療室においてどのようなタイミングで痛み止めの薬の使用を開始するかの判断の一助となり、患者さんの痛みをいち早く和らげることが期待できます。

研究期間:(医学部長実施許可日)~2027年  3月  31日

【使用させていただく情報について】

本研究では、救急搬送された患者さんご本人が感じている痛みの強さや程度、病気の進行度別の患者さんの痛みの強さと投与される鎮痛剤の投与開始までの時間の速さ、その後の痛みの強さおよび変化を調べます。具体的にはカルテに記載された患者さんの診療記録(情報:年代(●●歳代)、カルテ番号、病歴、診断された病気、搬送時の痛みの強さやその経過、血液検査結果、体温、脈拍、血圧、呼吸数、血液中の酸素飽和度等)を収集します。なお、本研究に患者さんの診療記録(情報)を使用させていただきますことについては、本学医学部倫理委員会において厳正に審査・承認され、大分大学医学部長の許可を得て実施しています。また、患者さんの診療情報は、国の定めた「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」に従い、特定の個人を識別できないよう加工し管理しますので、患者さんのプライバシーは厳密に守られます。当然のことながら、個人情報保護法などの法律を遵守いたします。

【使用させていただく情報の保存等について】

収集した情報は論文発表後10年間の保存を基本としており、保存期間終了後は、診療情報については、シュレッダーにて廃棄し、パソコンなどに保存している電子データは復元できないように完全に削除します。

【外部への情報の提供】

本研究で収集した情報を他の機関へ提供することはありません。

【患者さんの費用負担等について】

本研究を実施するに当たって、患者さんの費用負担はありません。

 

【研究資金】

本研究は特に資金を必要としませんが、必要となった場合は大分大学医学部看護学科基盤看護学講座の基盤研究経費を使用します。

【利益相反について】

 この研究は,上記の公的な資金を用いて行われ,特定の企業からの資金は一切用いません。「利益相反」とは,研究成果に影響するような利害関係を指し,金銭および個人の関係を含みますが,本研究ではこの「利益相反(資金提供者の意向が研究に影響すること)」は発生しません。

【研究の参加等について】

本研究へ診療情報を提供するかしないかは患者さんご自身の自由です。従いまして、本研究に診療情報を使用してほしくない場合は、遠慮なくお知らせ下さい。その場合は、患者さんの診療情報は研究対象から除外いたします。また、ご協力いただけない場合でも、患者さんの不利益になることは一切ありません。なお、これらの研究成果は学術論文として発表することになりますが、発表後に参加拒否を表明された場合、すでに発表した論文を取り下げることはいたしません。

患者さんの診療情報を使用してほしくない場合、その他、本研究に関して質問などがありましたら、主治医または以下の照会先・連絡先までお申し出下さい。

【研究組織】

研究責任者 松本 大地(大分大学大学院医学系研究科修士課程看護学専攻 大学院生)

指導教員  清村 紀子(大分大学医学部基盤看護学講座 教授)

【お問い合わせについて】

本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申し出下さい。

照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:

住 所:〒879-5593 大分県由布市挾間町医大ヶ丘1-1

電 話:097-586-5032(清村研究室)

担当者:大分大学大学院医学系研究科修士課程 看護学専攻 大学院生

松本 大地(まつもと だいち)