2024 年 9 月 1 日第 2 版作成
臨床研究に関するお知らせ
宮崎大学医学部附属病院感染症内科及び研究参加施設では、下記の臨床研究を実施しています。 皆様には本研究の趣旨をご理解頂き、ご協力を承りますようお願い申し上げます。
研究課題名:ダニ媒介感染症の多施設共同レジストリ研究
1.研究の概要 ダニ媒介感染症とはダニ咬傷により感染、発症する疾患であり、リケッチア感染症であるツツガ ムシ病と日本紅斑熱や重症熱性血小板減少症候群 (Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome: SFTS)などが含まれます。これらの疾患は発熱、皮疹、肝障害などの臨床所見の共通 点が多く、臨床症状や身体所見、一般検査のみではいずれの疾患か診断することが難しく、その診 断は血清中の抗体価や病原体の遺伝子検出によって行われます。また、SFTS は致死率が 20-30% と非常に高く、早期発見が非常に重要です。 以上から、私たちはダニ媒介感染症の実態を明らかにするため、ダニ媒介感染症の診断を受けた 方々の治療内容やその効果を観察させていただく、本研究を計画しました。 なお、この研究は、ダニ媒介感染症の診断及び治療に関する新しい知識を得ることを目的とする 学術研究活動として実施されます。 本研究は宮崎大学医学部内科学講座 呼吸器・膠原病・感染症・脳神経内科学分野 宮崎泰可を実 施代表者とした多施設共同研究として実施され、以下の参加施設で行われます。
【研究代表者】宮崎大学医学部内科学講座呼吸器・膠原病・感染症・脳神経内科学分野 教授 宮崎泰可
【研究機関、研究責任者】
宮崎大学産業動物防疫リサーチセンター 教授 岡林環樹
県立宮崎病院 内科 内科部長 山中 篤志
県立延岡病院 内科 医長 天神 佑紀
県立日南病院 内科 医長 土田 真平
国立病院機構宮崎東病院 呼吸器内科 医長 松元 信弘
社会医療法人善仁会 宮崎善仁会病院 呼吸器内科 医師 岩江 奈津子
国立病院機構都城医療センター 呼吸器内科 医長 今津 善史
社会医療法人泉和会 千代田病院 呼吸器内科 部長 小玉 剛士
宮崎市郡医師会病院 呼吸器内科 部長 床島 真紀
社会医療法人同心会 古賀総合病院 内科 医長 松浦 良樹
日本赤十字社 益田赤十字病院 総合診療科 医師 鈴木 貴之
山口県立総合医療センター 血液内科 部長 高橋 徹
山口大学医学部附属病院 血液内科 助教 徳永 良洋
独立行政法人地域医療機能推進機構 徳山中央病院 血液内科 主任部長 山下 浩司
山口県厚生農業協同組合連合会 周東総合病院 血液・内分泌内科 部長 石堂 亜希
独立行政法人国立病院機構 関門医療センター 糖尿病・血液内科 医長・副院長 鶴 政俊
山口県厚生農業協同組合連合会 長門総合病院 血液糖尿病内科 部長 香月 憲作
徳島県立中央病院 感染制御センター センター長 市原 新一郎
市立宇和島病院 血液内科 科長 金子 政彦
高知県立幡多けんみん病院 内科 統括部長 川村 昌史
近森病院 感染症内科 部長 石田 正之
高知県・高知市病院企業団立 高知医療センター 救命救急センター 副センター長 盛實 篤史
産業医科大学病院 感染制御部 部長 鈴木 克典
株式会社 麻生 飯塚病院 総合診療科 部長 小田 浩之
独立行政法人国立病院機構 嬉野医療センター 呼吸器内科 副院長佐々木 英祐
長崎大学病院 呼吸器内科 教授 迎 寛
地方独立行政法人 北松中央病院 呼吸器内科 理事長 東山 康仁
日本赤十字社 長崎原爆病院 呼吸器内科 部長 橋口 浩二
地方独立行政法人 長崎市立病院機構 長崎みなとメディカルセンター 呼吸器内科 診療部長 澤井 豊光
日本赤十字社 長崎原爆諫早病院 呼吸器科 院長 福島 喜代康
独立行政法人 地域医療機能推進機構 諫早総合病院 呼吸器内科 医長 三原 智
独立行政法人国立病院機構 長崎医療センター 呼吸器内科 診療科長 近藤 晃
地方独立行政法人 佐世保市総合医療センター 呼吸器内科 医長 梅村 明日香
長崎県五島中央病院 呼吸器内科 医師 瀬戸口 大地
社会医療法人財団 白十字会 佐世保中央病院 呼吸器内科 部長 小林 奨
熊本大学病院 感染免疫診療部 准教授 中田 浩智
大分大学医学部附属病院 救命救急科 教授 安部 隆三
大分県立病院 呼吸器内科 部長 安東 優
鹿児島大学病院 感染制御部 副部長 川村 英樹
鹿児島市立病院 内科 部長 池田 賢一
独立行政法人国立病院機構 熊本医療センター 感染症内科 部長 小野 宏
独立行政法人地域医療機能推進機構 天草中央総合病院 内科 医師 金子 篤志
上天草市立上天草総合病院 内科 副院長 和田 正文
2.目的 本研究は、リケッチア感染症及び SFTS を主としたダニ媒介感染症患者を対象とし、臨床データ の集積、解析を行い、その病態を解明することが目的です。なお、この研究は、ダニ媒介感染症の 治療に関連する新しい知識を得ることを目的とする学術研究活動として実施されます。
- 研究実施予定期間 この研究は、医療機関の長の許可後から 2029 年 9 月まで行われます。
4.対象者 2008 年 1 月 1 日から研究機関の長の許可日前日までに宮崎大学医学部附属病院及び研究参加 施設に入院あるいは通院され、ダニ媒介感染症の治療を受けられた方が対象となります。
また、宮崎大学で行っている臨床研究(承認番号 1032 膠原病及び膠原病類縁疾患の病因、病 態、治療に関する研究/承認番号 O-0191 膠原病及びその類縁疾患の病態解明のためのレジスト リ研究/承認番号 O-0241 ダニ媒介感染症の臨床的特徴の症例集積研究)にご協力を頂き、検体 の二次利用について同意を頂いている患者さんを対象とします。
5.方法 対象となる方のカルテ情報から、診療情報や血液検体を收集し利用します。これらの情報をもと にダニ媒介感染症の臨床的特徴や病態について解析します。
◆診療情報 ①患者さんの背景情報(年齢、性別、病歴、診断名、治療歴など) ②症状、バイタルサイン(体温、血圧、脈拍数、呼吸数など)、身体診察所見 ③検査データ:血液検査、尿検査、画像検査(X 線、CT など) ④治療内容 ⑤臨床経過 ⑥宮崎県衛生環境研究所で行われた検査結果(ダニ媒介感染症の病原微生物の PCR、抗体価、 全ゲノム情報の解析)
◆採取された血液検体 2008 年1月1日〜研究機関の長の許可日前日までに宮崎大学医学部附属病院に入院ある いは通院され、ダニ媒介感染症の治療を受けられた方、かつ上記の臨床研究に参加頂き研究 目的以外の検体の使用について同意頂いた方の下記残余検体を使用します。 ① 血清 ② 血漿
◆診療情報および血液検体の管理責任者 宮崎大学医学部内科学講座 呼吸器・膠原病・感染症・脳神経内科学分野 川口 剛
◆診療情報および血液検体の授受について 本研究で得られた診療情報および血液検体は、宮崎大学医学部内科学講座 呼吸器・膠原病・ 感染症・脳神経内科学分野研究室にて保管・管理し利用されます。また、先述の研究機関及び 宮崎県衛生環境研究所より診療情報を受けます。
6.費用負担 この研究を行うにあたり、対象となる方が新たに費用を負担することは一切ありません。
7.利益および不利益 本研究へ参加することによって、直接の利益はありませんが、研究成果により将来の医療の進歩 に貢献できる可能性があります。不利益はありません。参加を拒否された場合も不利益はありませ ん。
8.個人情報の保護 研究に当たっては、対象となる方の個人情報を容易に同定できないように、数字や記号に置き換 えて使用致します。
9.研究に関する情報開示について ご希望があれば、研究計画および研究方法についての資料を閲覧することができます。ご希望が ある場合は、下記連絡先へ遠慮無く申し出てください。ただし、研究の独創性確保に支障のない範 囲内で情報開示を行います。
10.研究資金および利益相反について
この研究に関する経費は、研究責任者が所属する診療科の研究費(法人運営費およびミッシ ョン実現戦略経費)及び下記の文部科学省科学研究費を研究資金源として実施する。
資金源:文部科学省科学研究費 若手研究
課題名:SFTSウイルス感染は宿主の好中球機能を低下させ、真菌症合併のリスクとるか?
期間:2023年度~2025年度で賄われます。
また、本研究の研究担当者は、「宮崎大学医学部等における臨床研究等利益相反マネジメン ト規程」に従い、この研究の公正な実施に影響が出ないよう配慮する。なお、本研究の研究責 任者と分担研究者は本研究に関わる企業および団体等からの経済的な利益の提供は受けてい ないため、利益相反注 1 ) はありません。 注1)臨床研究における利益相反とは、研究者が当該臨床研究に関わる企業および団体等から経 済的な利益(謝金、研究費、株式等)の提供を受け、その利益の存在により臨床研究の結果 に影響を及ぼす可能性がある状況のことをいいます。
11.研究成果の公表 この研究で得られた研究成果を学会や医学雑誌等において発表します。この場合でも個人を特定 できる情報は一切利用しません。
12.参加拒否したい場合の連絡先 この研究に参加したくない(自分のデータを使ってほしくない)方は下記連絡先へ遠慮無く申し 出てください。しかしながら、データ解析後、もしくは学会等で発表後は中途辞退することができ ない場合もあります。
13.疑問、質問あるいは苦情があった場合の連絡先 この研究に関して疑問、質問あるいは苦情があった場合は下記連絡先へ連絡をお願い致します。
医療機関名:大分大学医学部附属病院 〒879-5593 大分県由布市挾間町医医大ケ丘1-1
電話番号:097-586-6602
研究責任者:救命救急科 教授 安部隆三