大分大学医学部附属病院 高度救命救急センター

専門医ドクターインタビュー

いのちと向き合う先輩たちからみる
高度救命救急とは?

大分大学医学部附属病院高度救命救急センター
救命救急科 専攻医 姫野 智也

現在の仕事についてお話を伺いました

Q.姫野先生の現在のお仕事について教えてください

救命救急科の専攻医として3年目になりますが、救命救急センターICU病棟での管理が主です。重症患者さんが来た際、外来で対応した先生方の後の集中治療管理を引き継ぐという役割をメインに行なっています。
これからは、重症患者さんに対する気道や循環といった”命を繋ぐ”部分を勉強をして、4年目には外来や、ドクターヘリで現場へ行くといった一歩踏み込んだ仕事も増えてきます。

Q.一日の流れやワークバランスについて教えてください

私はいつも午前7時ごろに出勤します。朝カンファレンスで他科の先生方と一緒に方針を決定し、その後に多職種カンファレンスに入ります。そして、10時以降に業務に就くといった感じの流れです。
ICU病棟管理は基本的に3人分担で行なっています。医師によっては他科の仕事もありますが、お互いが補いフォローしあっていますね。
午後5時から申し送りをし、患者さんの変わったところや今後の問題点を話し合います。
残業がなければ、午後6時過ぎには終業します。先輩や先生方もすぐに帰られるので、下のポジションとしては帰りやすいかな。

勤務は基本的にシフト制なので、患者さんの状態が悪くなった時は、当直または日勤帯の先生に仕事が回ります。ですから、休みの日は基本的に病院から呼び出されることはないです。
勤務1か月前にシフト調整があって、週末に出勤できない場合でも他の先生が入ってくださったりして柔軟な対応をしてもらっています。

実際、お子さんを保育園に送迎するために、教授や先輩ドクターが定期的にカンファレンスに遅れて来るといったことを実践されていて。「子どもが生まれたら必要な時間は割くよ」と言ってくれるのは非常に心強いですね。

Q.医師、そして救命救急医療に携わることになったきっかけはなんですか?

私自身、出生時にリンパ腫があって、幼いころからドクターはかなり身近な存在でした。なので、人のために何かができる仕事をやりたいと思っていましたね。

救命救急医になろうと思ったのは、自分がなりたい医師像に一番近かったからです。
学生実習を通して、他科で自分が働くイメージは想像できたけれど、救命救急医としてテキパキ動いたり、指示・判断する姿が想像できなかったんです。だからこそ、救命救急にかかわりたいと思いました。
子どもが好きなので小児科にも興味はありましたが、どの科も興味深く感じてはいたので「この科だから見れません」がない救命救急医が良いかな、と思いました。

Q.救命救急医として辛かったことはありますか?

担当した患者さんが危険な状態になるのは辛いですし、仕事内容ではその部分が大きいですね。
仕事にかかわる部分としては、救命救急医は基本的にいろんなことを要求される仕事になるので、幅広い知識とちょっと深堀した知識も必要になってきます。
他の先生と実際にやりとりしていて、自分の知らない知識がたくさん出てくると、あれもこれもやらなければと負担に感じる部分は正直言ってあります。
ただ、仕事全体を通して辛いと感じたことはあまりありません。自分が上手く管理すればうまく行きますし、少しでも管理が甘くなると良くない方向にいくので、早く結果に結びつけるのが大変ですね。

Q.嬉しかったこと、心に残っているエピソードはありますか?

患者さんが退院したときはやっぱりうれしいです。
それと、心筋梗塞の患者さんに私がまず対応して、研修医の時にお世話になった循環器の先生へ繋いだことがあったんです。その患者さんが上手く治療が進んでうれしかったですし、指導していただいた先生から「姫野、ありがとう」「またよろしくね」と言われたことがありました。今までやってきたことが実感として湧きましたね。

やりがいは 患者さんが普通に帰っていく姿をみたとき。

他の病院の当直や日直を1人で行なったりしますが、
年配の先生から「この患者さん何とかして」と言われたことがありました。
普通の科であれば3、4年目でそこまで頼られることはないでしょうし、救命は病棟管理での知識を実際に役立てられて、応用が効く症例が多いので。
救急医として見られている上に、
年配の先生から「助かったわ」と言われたりすると嬉しいです。
診療した患者さんが普通に帰っていく姿を見るとすごくやりがいを感じますし、
同業者からお礼を言われたりするのは嬉しいですね。

高度救命救急医を目指す方、学生に向けてのメッセージをお願いします

自分の目指す医師像をまず想像して、そこから近い科にいくというのが、やりがいとしても仕事をするうえでも一番のモチベーションになると思います。
ただ、救急科は基本的に研修するうえで必ず通る科なので、そこで得た知識は絶対に役立ちます。
私が感じる印象ですが、「救命救急を目指すなら、都会の市中病院のほうが症例も多いし勉強になる」という意見も聞きますが、自分自身が地方の大学病院で研修も専攻医もやって、その経験で不足している部分は多くないと思います。
実際に今の救命救命センターは若い先生たちが多くて、逆にそれが自分たちのモチベーションになったりもしています。
私と同期はいませんが、前後の学年がいて、辛い時や「本当に症例がわからない、困った…」というときにも、気軽に相談できるのはいいですね。指導もしてくださるし、お互いにフィードバックもしっかりできますから。大分大学医学部救命科を選んでくれると嬉しいですね。

今後の目標を教えてください

短期的な目標でいえば、専門医を取得することですね。
自分の理想の医師像としては、飛行機の中で「お医者さんいませんか」と言われたときに手を上げていけるような人になりたいです。

MOVIE

専攻医の一日を動画でご紹介しています。


INTERVIEW

  • 松村 卓哉 | 國武 直人 | 髙畑 絢子
    大分大学医学部附属病院 高度救命救急センター
    救命救急科 専攻医
    松村 卓哉 | 國武 直人 | 髙畑 絢子

    (2023年掲載)

  • 池邊 茉莉
    大分大学医学部附属病院 高度救命救急センター
    救命救急科 専攻医
    池邊 茉莉

    (2022年掲載)

  • 古荘 侑穂
    大分大学医学部附属病院 高度救命救急センター
    救命救急科 専攻医
    古荘 侑穂

    (2022年掲載)

  • 姫野 智也
    大分大学医学部附属病院 高度救命救急センター
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    姫野 智也

    (2022年掲載)

  • 森 由華
    大分大学医学部附属病院 高度救命救急センター
    救命救急科 専門医
    森 由華

    (2022年掲載)

  • 梅津 成貴
    大分大学医学部附属病院 高度救命救急センター
    救命救急科 専攻医
    梅津 成貴

    (2021年掲載)

  • 松本 祐欣
    大分大学医学部附属病院 高度救命救急センター
    救命救急科 専攻医
    松本 祐欣

    (2021年掲載)

  • 塚本 菜穂
    大分大学医学部附属病院 高度救命救急センター
    塚本 菜穂

    (2018年掲載)

インタビュー いのちの最前線で働く先輩たちのホンネ!